伝説の乙女ゲーム「薄桜鬼」と備前長船刀剣博物館がコラボした特別展「薄桜鬼 刀剣録 ~幕末維新の刀剣展~」に行ってきました!
岡山県瀬戸内市長船町にある備前長船刀剣博物館は、日本でも数少ない日本刀の博物館です。
2012年には、「ヱヴァンゲリヲンと日本刀展」も開催され、話題になりました。
薄桜鬼(はくおうき)とは?
薄桜鬼(はくおうき)は新選組をモチーフにした乙女ゲームです。
一作目発売から8年たった今でも、続編が作られるほどの人気ゲームです。
実在した新選組隊士たちを中心に、オリジナルキャラクターを加えた物語。
もっと詳しくは、薄桜鬼総合サイトを見てください。
では、見るだけで行った気分になっちゃうかも!?しれないレポートをどうぞ。
岡山から 姫路から 車での行き方
岡山方面から
国道2号線を備前方面(東)に進み、船山交差点(パチンコ ヴァージン長船店・焼肉レストランマルヨシ)を右折(南)します。

姫路・赤穂・備前方面からだと、国道2号線を左折(南)します。

交差点には看板がありますので、わかりやすいと思います。

曲がったら直進

約100mさきのY字を右へ進みます。

Y字から約500m、2号線を曲がってからだと約600m先にあります。

特別展の看板

いよいよ中へ入ります!
入口で土方さん(土方歳三)と総司(沖田総司)がお出迎え
入って正面に見えたのは、沖田総司のパネル。

そして鬼の副長 土方さん。

このパネル 身長170cmの男性と比較すると、こんな大きさ。

等身大かな?と思ったけど、やや大きいのかも。

館内に入ると鎧兜。

特別展1階の入口には、一くん。
薄桜鬼ファンの方ならわかっていただけると思いますが、斎藤一は「はじめくん」と呼んでしまいます・・・
1階展示室
ここは、幕末維新の事件と志士たちの武器と書が展示してあります。
生麦事件で薩摩藩士・海江田信義が所持していた御刀、西郷隆盛所用の太刀、水戸藩徳川斉昭公の御手打の脇指、武市半平太が自刃した短刀(撮影禁止でした)、山内家伝来短刀、吉田松陰、桂小五郎、高杉晋作、久坂玄瑞、伊藤博文、山縣有朋の掛軸などが展示されています。
火縄銃の小道具や口薬入れなど、幕末維新時代の小道具もありました。

水戸9代藩主・徳川斉昭が自ら打った刀剣。藩主自ら刀を打っていたんですね。
火縄銃に使う小道具たち

何故か口薬入れに惹かれました。丸いフォルムが化粧品みたいです。

口薬とは火皿に置いて、火縄銃に着火させるための火薬です。

↑岡山藩剣術指南役 阿部右源次所持
青緑のラメが綺麗な刀剣。この螺鈿の美しさが写真では伝えきれないのが残念です!
名前がとにかく長いのですが、上の刀が、
青貝微塵塗腰印籠刻鞘内刀拵(あおがいみじんぬりこしいんろうきざみざやうがたなこしらえ)
下の刀が
青貝微塵塗海老鞘脇指拵(あおがいみじんぬりえびざやわきざしこしらえ)
という名前です。
鞘には青貝の螺鈿部分を同じ大きさに砕いて、青色部分のみをより分けて塗りこんであります。
鞘には刻み(脇指には海老のような刻み)があって、刀身の曲線にあわせて一見等分のように見えますが、実は上下で違う幅の刻みが入れてあります。
↓別の角度(正面)から

螺鈿の光がわかるでしょうか。漆も谷間部分は磨き方を変えて、より立体感がまして見えるように工夫された刀剣です。

吉田松陰先生の掛軸、その隣には

高杉晋作の掛軸。

教科書なんかでよく見る白黒画像の高杉さんより、アッサリしたお顔の肖像です。

有名なのはこっちの肖像?

銃・・

桂小五郎 直筆の掛軸

伊藤博文 直筆の掛軸

洋式銃も展示されていました。

近藤勇も徳川慶喜公がフランスのナポレオン3世から賜った20丁ルフォショウのうち、1丁を持っていたそうです。
↓これは回転式拳銃!

リボルバー(回転式拳銃)がこの時代にあったんですね。

2階展示室
2階がメインの「薄桜鬼 刀剣録」の武器武具の展示会場です。
- 土方歳三の手紙と越前康継・和泉守兼定
- 芹沢鴨と三原正家
- 近藤勇と虎徹
- 沖田総司と加州清光・山城守国清
- 斎藤一と鬼神丸国重
- 藤堂平助と上総守兼重
- 原田左之助と肥前忠広
- 永倉新八と手柄山氏繁
- 山崎烝と和泉守国貞
- 伊庭八郎と栗原信秀
- 坂本龍馬と左行秀
その他に、岡山県出身の新選組隊士が所持していた刀剣、浅野藤太郎と固山宗次。岡山県出身ではないが、長船の刀剣を所持していた隊士 三品仲治(刀剣:長船祐平)林信太郎(刀剣:長船祐春)の展示。

シリーズの年表↓

ゲーム第一弾は2008年9月18日発売でした。
↓コミックマーケット79にて販売されていた『薄桜鬼』シリーズイラストの桜ポスターです。

カズキヨネさんのイラスト 本当に美しいです。

りりしい千鶴ちゃん。(ゲーム内の架空の人物です)

この一くん、すごい好きです。いつも端が定位置なんですね。

中に入ると、火曜日なのに、この賑わい。

イラストパネルは圧巻です。

新選組隊士 林信太郎の愛刀 長船の新々刀 祐春↓

林信太郎は、池田屋騒動にも出動した隊士です。
鳥羽伏見の戦い、甲州勝沼の戦いにも参加しました。
後に原田左之助らと靖共隊としても戦いました。
三品仲司(三品一郎)の愛刀 祐平(改名前は祐定)↓

三品仲司も池田屋騒動に出動した隊士です。三品一郎としての記録が残っています。生没年は不詳となっています。
↓浅野藤太郎の愛刀 宗次(固山 宗次)

浅野藤太郎は岡山県の備前市出身といわれています。(諸説あり)
20人以上いるとされている岡山県出身の隊士の一人。池田屋騒動に出動。諸士取調役。
宗勉↓

↓銘には「笹露」と彫られています。

これは、「笹にのった水玉がスルッと滑り落ちるように斬れる」という意味だそう。切れ味抜群だったでしょうね。
正行(清麿)↓

清麿は幕末の刀匠の中でも、美男子で大酒飲みとして柴田錬三郎や隆慶一郎の小説に登場しています。
「清麿の萩打ち」と呼ばれる愛刀家垂涎の作だそう。
ここからは薄桜鬼のキャラクターパネルと一緒にご紹介。
風間千景(チー様)↓

ファンの方はご存知ですが、こちらの風間さんは、実在の人物ではありません。
きちんと注意書きもあります↓

50代くらいの女性が「誰かと思ったら、実在しない人だって!」と話していたのが聞こえました。そうなんです・・・薄桜鬼というゲームの中の人なんです。
↓不知火 匡

新しい物好きな鉄砲使い。原田左之助と色々絡む鬼さんです。こちらの不知火さんも、架空のキャラクターですよ。

↓不知火さんといえば鉄砲です。

ゲームの中でも鉄砲使いが、ワイルドです。こちらの鉄砲コルトポケットは、桜田門外の変で使用されたものと同型の拳銃です。
↓歴史上の超人気人物 坂本龍馬さん

ゲームの中では、羅刹という鬼化した人間をめぐって、新選組と深くかかわっていくことになります。寺田屋事件では、敵にピストルで応戦したそうですね。
行秀↓

土佐藩のお抱え刀工として活躍した、左行秀の作です。
なぜか寂しげな表情の榎本武揚さん↓

榎本武揚は、留学を経験している江戸っ子です。海軍を率いて江戸から脱出、土方歳三らとともに蝦夷(北海道)へ。江戸幕府海軍副総裁、蝦夷共和国総裁。
広康↓

榎本武揚が日本に飛来した隕鉄を用いて作った刀剣。隕鉄とは、主成分が鉄とニッケルから成る隕石(いんせき)です。この刀剣は、備前長船刀剣博物館の敷地内にある鍛刀場で制作された流星刀です。鞘がなんとも派手ですね。
伊庭八郎↓

幼少期から文武両道だったという伊庭八郎さん。池田屋騒動後は江戸にもどり幕府の遊撃隊に所属していました。
上野戦争で、左手首を皮一枚残して斬られるという重症をおいますが、みずからその手首を切り落して隻腕となったといいます。コワ・・・
その後、蝦夷に渡りますが、胸に銃弾をうけたことで亡くなります。享年26歳。
最期は、自分でモルヒネを飲んで自死したとされています Σ( ̄ロ ̄lll)
手首を自分で斬り落としたり、モルヒネを飲んで自殺したり、この方の解説が1番衝撃でした。どのような精神状態だったのか、非常に気になります。
↓信秀

平信秀は通称、栗原信秀。源清麿の弟子の中でも、とくに優れた才能をもった刀工でした。
つづきは【薄桜鬼 刀剣録 幕末維新の刀剣展】レポートその2へ。